「私、リズム感ないんです」って、本当にそう?日本人が持つ独特の「リズム感」について

長年ダンスを教えていると、よく耳にする言葉があります。「私、リズム感がないんです」。

でも、本当にそうでしょうか?

おそらく皆さんがイメージしている「リズム感」とは、西洋的なダンスや音楽で求められるリズム感のことなのではないでしょうか。実は、私たちは皆、素晴らしいリズム感を持っていると私は感じています。ただ、それは西洋的なものとは少し異なる、日本人ならではのリズム感なのかもしれません。

日本の文化に根ざした「身体のリズム」

例えば、日本舞踊。重心を低く保ち、すり足で動きます。剣道や柔道、相撲といった日本の武道もまた、重心を低く構えることが基本です。これらは皆、地に足のついた、どっしりとした身体の使い方をします。

もっと身近な例を挙げましょう。お盆の時期になると、各地で盆踊りが行われますよね。普段ダンスを習っていない人でも、輪の中に入れば見よう見まねでなんとなく踊れてしまう人が多いと思いませんか? 完璧にカウントを取らなくても、自然と周りの動きに合わせてしまう。これもまた、日本人が持つリズム感の表れだと、長年の指導経験から私は感じています。

また、音楽に合わせて手拍子をするとき、意識せずとも曲のテンポを掴んで手を叩くことができますよね。これは、私たちが日本の文化の中で、自然と身につけてきた身体感覚やリズムの捉え方があるからです。


西洋と日本のリズム感の違い

現代のダンスは、西洋文化の影響を強く受けています。そのため、音楽の聞き方やリズムの取り方も、私たちが慣れ親しんだものとは異なる場合が多いのです。この違いに戸惑い、「自分にはリズム感がない」と感じてしまうのではないでしょうか。

これは、日本語を話す私たちが、突然外国語を話すかのように英語のリズムで会話しようとして、戸惑ってしまう感覚とよく似ています。

さらに言えば、日本人は音楽を聴くときにメロディーを重視する傾向があり、一方、西洋ではリズムを重視して聴く傾向があるとも言われています。この聞き方の違いも、ダンスのリズムの捉え方に大きく影響しているのかもしれません。

「若いから西洋的なリズム感を持ち合わせている」というのも、必ずしも当てはまりません。これまで1000人近くの生徒さん(年中さんから大人まで)に教えてきましたが、小学生でも高校生でも、ダンスを初めて体験する子のほとんどが、最初は日本人らしいリズムの取り方をします。

では、なぜ西洋的なリズムを自然に捉えられる子がいるのか? その多くは、親御さんがブラックミュージックなどの西洋音楽を好んでいて、小さい頃からご家庭でそういった音楽が流れている、といった環境的な背景がある場合が多いのです。


リズム感は「習得可能」!

英語を一日で習得できないように、西洋的なリズム感を身につけるには、もちろん時間が必要です。しかし、決して習得できないものではありません

コツを掴んで練習すれば、誰でもカッコよく踊れるようになります!

「リズム感がないから」と諦めてしまうのはもったいないことです。ぜひ一度、新しいリズムの捉え方にトライしてみてください。あなたのダンスの世界が、きっともっと広がるはずです!